源泉徴収票の見方|給与・所得・税額の各欄を国税庁公式情報で正しく理解する【2026年版】

電卓と源泉徴収票・税務書類が机に置かれている写真 税金・節税
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結論

結論として、源泉徴収票の見方で最初に押さえるべきは「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」の4欄で、この順に上から下へ計算が積み上がる構造になっています。

支払金額が年間の総支給額(額面)、そこから給与所得控除を引いたものが「給与所得控除後の金額」、さらに各種所得控除を引いたものが「課税所得」、それに税率を掛けたものが「源泉徴収税額(所得税)」です。住民税は記載されません(別途、住民税決定通知書で確認)。本記事は2026年6月時点の国税庁公式情報および令和7年分以降の源泉徴収票様式に基づきます。

読了後に得られるもの

  • 源泉徴収票の主要4欄(支払金額・給与所得控除後・所得控除合計・源泉徴収税額)の意味
  • 年末調整と源泉徴収票の関係
  • 確定申告で源泉徴収票が必要になる場面
  • 副業や住宅ローン控除など、源泉徴収票だけでは完結しないケース

順を追って整理します。給与明細との違いも触れます。

1. 源泉徴収票とは何か

源泉徴収票は、勤務先が1年間に支払った給与等の総額と、それに対して源泉徴収した所得税額を記載した法定調書です(出典: 国税庁)。

正式名称は「給与所得の源泉徴収票」で、所得税法第226条に基づき発行が義務付けられています。給与所得者は原則として翌年1月31日までに勤務先から交付を受けます。中途退職した場合は、退職後1ヶ月以内に交付される決まりです。

ここで誤解されがちなのが「給与明細」との違いです。給与明細は毎月の支給内訳を示すもので、源泉徴収票は年間の集計と所得税の最終計算結果を示すもの。両者は役割が異なります。

源泉徴収票は次のような場面で必要になります。確定申告を行う場合、住宅ローン審査などで収入証明として提出する場合、転職先で前職の源泉徴収票を新しい勤務先に提出する場合(年末調整に合算するため)などです。

2. 主要4欄の意味と計算の流れ

源泉徴収票の中で最も重要なのが、左上付近に並ぶ4つの金額欄です(出典: 国税庁「給与所得の源泉徴収票」様式)。

整理すると次のような階層構造になっています。

欄名 意味 計算式
支払金額 年間の総支給額(額面) 基本給+残業代+各種手当+賞与等の合計
給与所得控除後の金額 給与収入から給与所得控除を引いた額 支払金額 − 給与所得控除
所得控除の額の合計額 基礎控除や社会保険料控除など各種控除の合計 各種所得控除の合計
源泉徴収税額 確定した所得税額(復興特別所得税含む) (給与所得控除後 − 所得控除合計)× 税率

具体例で見ると、支払金額が500万円の場合、給与所得控除は約144万円(2026年6月時点の計算式)なので、給与所得控除後の金額は約356万円。そこから基礎控除48万円や社会保険料控除など各種所得控除を引いた残りが課税所得となり、それに所得税率(累進)を掛けて源泉徴収税額が決まります。

なお給与所得控除は給与収入額に応じて段階的に計算されるため、収入が高いほど控除率は下がります。詳細な計算式は国税庁タックスアンサーNo.1410で公開されています。

3. 控除関連の各欄

主要4欄に加えて、源泉徴収票には控除に関する詳細な欄が並びます。

「控除対象配偶者の有無等」「控除対象扶養親族の数」「障害者の数」などの欄は、扶養控除や配偶者控除の適用状況を示しています。「社会保険料等の金額」は健康保険・厚生年金・雇用保険などの保険料合計、「生命保険料の控除額」「地震保険料の控除額」は年末調整で申告した保険料控除の額です。

「住宅借入金等特別控除の額」欄には住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の額が記載されます。ただし、住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要で、源泉徴収票には反映されません(2年目以降から年末調整で反映)。

これらの控除関連欄を見ることで、自分の年末調整がどう処理されたかを確認できます。書類提出を忘れたり計算ミスがあった場合は、年末調整のやり直しを依頼するか、確定申告で正しく申告し直す対応が可能です。

4. 年末調整と源泉徴収票の関係

年末調整は、毎月の給与から源泉徴収された所得税の過不足を年末に精算する手続きで、その結果が源泉徴収票に反映されます(出典: 国税庁)。

具体的な流れは次のようになります。毎月の給与・賞与から「源泉徴収税額表」に基づいて概算で所得税が徴収される。12月の最終給与のタイミングで、1年間の正確な所得税額を計算し直す。徴収済み税額が多すぎれば差額が還付され、不足していれば追加徴収される。この精算結果が源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄に記載される。

年末調整で対応できる控除は限られています。基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、住宅ローン控除(2年目以降)などです。

一方で、医療費控除、寄附金控除(ふるさと納税のワンストップ特例不使用時)、雑損控除、初年度の住宅ローン控除などは年末調整では処理できず、自分で確定申告する必要があります。これらに該当する場合、源泉徴収票を持参して2月16日〜3月15日に確定申告を行うことになります。

5. 確定申告で源泉徴収票が必要なケース

確定申告の際、源泉徴収票は給与収入と源泉徴収済み税額を証明する書類として使われます(出典: 国税庁タックスアンサーNo.2030)。

確定申告が必要・有利になる主なケースを整理すると、次のような場面です。

第一に、副業所得が年間20万円を超える場合。給与所得以外の副業所得を本業の給与所得と合算して申告する必要があります(20万円ルールの詳細は副業の20万円ルールを参照)。

第二に、医療費控除を受ける場合。年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えると控除対象になります。第三に、ふるさと納税でワンストップ特例制度を使わない場合、または6自治体以上に寄附した場合。第四に、住宅ローン控除の初年度。第五に、年の途中で退職して年末調整を受けていない場合。

これらいずれの場合も、確定申告書に源泉徴収票の金額(支払金額・源泉徴収税額など)を転記する必要があります。e-Tax(電子申告)では源泉徴収票の添付は不要になりましたが、内容を入力する必要があるため、手元に源泉徴収票を準備しておくことが必要です。

また2019年4月以降、確定申告書への源泉徴収票の添付は原則不要となりました(税務署で5年間の保管義務はあり)。

6. 源泉徴収票の保管と再発行

源泉徴収票は確定申告や各種証明の際に使うため、適切に保管することが重要です。

保管期間の目安は5年間です。確定申告書の保存義務期間と同じで、税務調査が入る可能性を考慮した期間です。住宅ローンの本審査などで複数年分の収入証明が求められることもあるため、過去5年分は手元に残しておくと安心です。

紛失した場合は、勤務先に依頼すれば再発行が可能です。退職後でも前職の人事部や経理部に連絡することで対応してもらえます。前職と連絡が取りにくい場合は、税務署で「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する制度があり、税務署から勤務先に指導してもらえます。

ペーパーレス化の流れで、近年は電子交付(PDF)で配布する企業も増えています。電子交付された源泉徴収票はパソコンやクラウドに保存しておけば紛失リスクが低く、e-Tax での申告でもそのまま参照しやすいメリットがあります。

まとめ

源泉徴収票は給与所得者にとって最も重要な税務書類のひとつで、年間の給与・控除・所得税額が一覧できる集計表です。

最初に見るべきは「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」の4つの主要欄。この順に計算が積み上がっていきます。控除関連の各欄は年末調整の処理結果を示し、漏れがあれば確定申告で訂正できます。

副業所得20万円超、医療費控除、住宅ローン控除初年度などのケースでは確定申告が必要で、その際に源泉徴収票の金額を申告書に転記します。確定申告書への添付は2019年以降不要ですが、内容を正確に入力するために手元に準備しておきましょう。紛失した場合は勤務先に再発行を依頼するか、税務署の不交付届出書制度を利用できます。

参考情報

  • 国税庁「給与所得の源泉徴収票」様式()
  • 国税庁「令和7年分以降の源泉徴収票記載要領」()
  • 国税庁タックスアンサー No.2030「還付申告」()

本記事は2026年6月時点の国税庁公開情報を基に作成しています。税制および源泉徴収票の様式は毎年改正される可能性があるため、最新情報は国税庁ホームページや所轄税務署にご確認ください。個別の税額計算や控除の判断については、税理士など専門家へのご相談を推奨します。

よくある質問

Q. 源泉徴収票はいつもらえますか?

A. 原則として翌年1月31日までに勤務先から交付されます。中途退職した場合は退職後1ヶ月以内に交付されます(国税庁)。

Q. 支払金額と給与所得控除後の金額は何が違いますか?

A. 支払金額は年間の総支給額(額面)で、給与所得控除後の金額はそこから給与所得控除を差し引いた額です。給与所得控除は給与収入額に応じて計算される必要経費相当の控除です。

Q. 源泉徴収票をなくした場合は再発行できますか?

A. 勤務先に依頼すれば再発行が可能です。退職後でも前職に依頼できますし、税務署で「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する制度もあります。

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