自動車保険の等級制度(ノンフリート等級別料率制度)とは、1〜20等級で保険料の割引率・割増率を決める共通の仕組みであり、保険を使わなければ毎年1等級ずつ上がり、保険会社を乗り換えても等級は原則そのまま引き継がれます。
等級は「無事故の実績を保険料に反映させる業界共通のルール」であり、損害保険料率算出機構が定める基準を各社が採用しているため、会社ごとにバラバラではありません。ただし割増引率の具体的な数値は各社の料率設定により異なるため、「必ず〇%安くなる」とは一概に言えません。本記事は2026年6月時点の各損保公式サイトおよび公的情報をもとに編集しています。
等級制度の基本的な仕組み
「ノンフリート等級別料率制度」は、契約台数9台以下の個人契約に適用される制度です。損害保険料率算出機構が算出した参考純率をベースに各保険会社が独自の割増引率を設定しているため、会社が違っても枠組みは共通です(出典: SBI損保・自動車保険の等級制度とは、アクサ損保・ノンフリート等級制度とは)。
仕組みの要点は次の4点です。
1. 等級は1〜20等級まであり、数字が大きいほど割引率が高くなります。 2. 初めて契約する場合は原則6等級からスタートします(セカンドカー割引の条件を満たす場合は7等級)。 3. 契約期間中に保険を使う事故がなければ、翌年度に1等級上がります。 4. 7等級以上では「無事故」と「事故あり」で割引率が分かれ、同じ等級でも事故あり直後は割引が低くなります。
6等級から無事故を続けると、最短で14年後に最高の20等級へ到達する計算です。
独自分析1|等級と割引率・割増率の代表値一覧
下表は、損保各社公式サイトおよびインズウェブ・SBI損保の開示情報をもとに編集部がまとめた代表的な割増引率の目安です。各社の実際の料率は参考純率をもとに独自設定しているため、数値は必ず加入先の公式サイト・重要事項説明書でご確認ください。 2026年6月時点の情報に基づきます。
| 等級 | 無事故の割増引率(目安) | 事故あり係数適用時の割増引率(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1等級 | 割増(+64%前後) | — | 最も高い割増 |
| 3等級 | 割増(+28%前後) | — | 事故直後に多い等級 |
| 6等級 | 割引なし〜微割引(−14%前後) | 同左 | 新規契約スタート |
| 7等級 | −24%前後 | −14%前後 | 事故あり・無事故が分岐 |
| 10等級 | −44%前後 | −28%前後 | 中堅の割引水準 |
| 14等級 | −57%前後 | −44%前後 | 無事故10年近いレベル |
| 17等級 | −63%前後 | −55%前後 | 長期無事故 |
| 20等級 | −63%前後(最大) | −57%前後 | 最高等級 |
※割増引率の数値は保険会社・商品・契約条件により異なります。上表はあくまで各社公式資料から読み取れる目安の範囲を示したものです。実際の保険料は等級以外の要因(型式別料率クラス・年齢条件など)も影響します。
事故で保険を使うと等級はどうなるか
保険を使った場合の扱いは事故の種類で異なり、各社公式サイトでは一般に次の3区分で説明されています。
| 事故の区分 | 主な例 | 翌年度の等級 | 事故あり係数の適用期間 |
|---|---|---|---|
| 3等級ダウン事故 | 車対車の衝突、自損事故など | 3等級下がる | 3年間 |
| 1等級ダウン事故 | 盗難、台風、飛び石など | 1等級下がる | 1年間 |
| ノーカウント事故 | 搭乗者傷害保険のみ使用など | 下がらない(1等級上がる) | なし |
注意したいのが「事故あり係数」の存在です。同じ等級でも、事故で下がった直後は「事故あり」の割増引率が適用され、無事故で到達した同じ等級より割引率が低くなります。3等級ダウン事故の場合、3年間は割引が抑えられる仕組みです(出典: 東京海上ダイレクト・ノンフリート等級別料率制度とは)。
このため、少額の損害では「保険を使って等級を下げるか、自費で直すか」の比較が論点になります。修理費と、等級ダウン+事故あり係数による今後数年の保険料増加分を見比べて判断するのが一般的な考え方です。等級・条件によって損益分岐点は大きく異なるため、保険会社に試算を依頼するのが確実です。
独自分析2|シナリオ別の等級引き継ぎ判断軸
等級の引き継ぎは複数のパターンがあり、状況に応じた対応が必要です。下表でシナリオごとの要件と注意点を整理します。
| シナリオ | 引き継ぎの可否 | 主な条件・注意点 |
|---|---|---|
| 保険会社の乗り換え(継続) | 可能 | 前契約の満期日または解約日から新契約開始まで空白期間が各社規定内(一般的に7日以内など)であること |
| 家族間での引き継ぎ(親→子など) | 可能(要件あり) | 記名被保険者が配偶者または同居の親族であること。別居後は不可 |
| 車を手放して再び購入(中断証明書) | 可能(期限あり) | 中断日翌日から10年以内に再契約すること。発行申請は解約日・満期日から5年以内 |
| 長期海外渡航後の帰国 | 可能(期限あり) | 出国日を起算点として10年以内。中断証明書の発行が必要 |
| 別居後に独立した子ども名義へ | 原則不可 | 同居要件を満たさないため。乗り換え前に確認が必要 |
中断証明書は、廃車・譲渡・返還・一時抹消・盗難・海外渡航などの理由で車を手放す場合に発行できます。再開時は中断前とは別の保険会社に乗り換えても等級を引き継ぐことが可能で、他社乗り換えを妨げる制度ではありません(出典: 東京海上ダイレクト・中断証明書とは、ソニー損保・中断証明書発行方法)。
勘違いしやすい点を整理する
等級制度についてはいくつかの誤解が広く見られます。正確な知識のために整理します。
誤解1「保険を使うと必ず損をする」 保険を使うべきかどうかは、修理費の額と今後の保険料増加分の比較によります。等級・条件により損益分岐点は異なり、高額修理の場合は使った方が合理的なケースもあります。「必ず損」は誤りであり、等級・条件による個別判断が正解です。
誤解2「他社に乗り換えると等級がリセットされる」 ノンフリート等級制度は各保険会社が採用する共通の枠組みのため、乗り換えても等級は引き継がれます。「乗り換えると6等級に戻る」という情報は誤りです(出典: おとなの自動車保険・等級制度とは)。
誤解3「同じ等級なら保険料は同じ」 同じ等級でも、事故あり係数適用中かどうかで割引率が異なります。また、型式別料率クラス・年齢条件・使用目的・走行距離なども保険料に影響するため、等級だけで保険料は決まりません。
編集部の整理と結論
等級制度は長く無事故を続けることで自然と最大割引に近づく設計ですが、事故あり係数の存在によって「等級が回復してもすぐには割引が戻らない」点が見落とされがちです。特に3等級ダウン事故では、等級と事故あり係数の両方が回復するまでに相当な期間かかります。
保険会社の乗り換えは等級引き継ぎが保証されているため、補償内容と保険料をフラットに比較して選んで問題ありません。一方で、家族間の等級引き継ぎは「同居」という要件が厳格であり、子どもが独立するタイミングを逃すと引き継げなくなります。引き継ぎを考えているなら、子どもが同居中に手続きを完了させることが重要です。
等級は一度下げると回復に数年かかります。小さな損害で安易に保険を使わない判断は長期的な保険料低減に有効ですが、高額修理の場合は逆に保険を使うことが合理的です。迷った場合は保険会社の試算サービスを利用するのが現実的な選択です。
こんな人におすすめ
保険料を長期的に抑えたい人は、等級を上げることが最も確実な割引要因です。修理費と保険料増加分を比較して、安易な保険利用を避けることが選択肢になります。保険会社の乗り換えを検討している人は、等級はそのまま引き継がれるため、補償内容と保険料で純粋に比較して選んで問題ありません。同居の子どもが車に乗り始める家庭は、等級の家族間引き継ぎを使えるのは同居の間だけであるため、タイミングを逃さないようにしましょう。
まとめ
- 等級制度は1〜20等級で割引率・割増率を決める各社共通の仕組みです。無事故なら毎年1等級ずつ上がります。
- 事故で保険を使うと3等級または1等級下がり、一定期間は割引率の低い「事故あり係数」が適用されます。
- 等級は保険会社の乗り換え・同居家族への引き継ぎ・中断証明書(最長10年)での保存が可能です。
- 「保険を使うと必ず損」「乗り換えると等級リセット」「同じ等級なら保険料同じ」はいずれも誤解です。等級・条件による個別判断が重要です。
本記事は運営者情報に基づき、公的情報をもとに編集しました。
本記事は2026年6月時点の各社公式情報および公的機関の公開情報をもとにした一般的な解説です。等級の適用条件・割増引率の詳細は保険会社や契約条件により異なるため、実際の契約・請求の際は必ず各保険会社の公式サイトや約款でご確認ください。本記事は特定の保険商品の契約を推奨するものではありません。
参考にした情報
- 自動車保険のノンフリート等級制度とは(ソニー損保) — https://www.sonysonpo.co.jp/auto/guide/agde021.html
- 自動車保険の等級制度とは(おとなの自動車保険・セゾン自動車火災) — https://www.sompo-direct.co.jp/otona/guide/grade/about.html
- 自動車保険の等級制度とは(SBI損保) — https://www.sbisonpo.co.jp/car/guide/grade-system/
- ノンフリート等級別料率制度とは(東京海上ダイレクト) — https://www.e-design.net/ande/guide/column/nonfleet/
- 自動車保険の中断証明書とは(東京海上ダイレクト) — https://www.e-design.net/ande/guide/column/chudan/
- ノンフリート等級制度とは(アクサ損害保険) — https://www.axa-direct.co.jp/auto/guide/grade_system_guide/grade_system.html
- ノンフリート等級別割引・割増制度とは(東京海上日動火災保険) — https://faq.tokiomarine-nichido.co.jp/faq/show/637?site_domain=default
よくある質問
Q. 自動車保険の等級は何等級から始まりますか?
A. 初めて契約する場合は原則6等級(セカンドカー割引の条件を満たす場合は7等級)からスタートすると損保各社の公式サイトで案内されています。
Q. 事故で保険を使うと等級はいくつ下がりますか?
A. 事故の種類により異なり、一般に3等級ダウン事故・1等級ダウン事故・ノーカウント事故に区分されます。3等級ダウン事故では翌年から3年間、事故あり係数が適用されます。
Q. 保険会社を乗り換えると等級はリセットされますか?
A. リセットされません。ノンフリート等級制度は各社共通の仕組みのため、乗り換え先にも原則引き継がれます。
Q. 中断証明書で等級を保存できる期間はどのくらいですか?
A. 中断日の翌日から最長10年間、等級を保存できます。ただし中断証明書の発行申請は解約日・満期日から5年以内に行う必要があります。
本記事はAI(大規模言語モデル)を活用して執筆しています。原稿は公的機関の発表・公式仕様・査読論文などの一次情報をもとに作成し、編集部が事実関係・薬機法・景品表示法への抵触の有無を確認したうえで公開しています。運営者情報・AI活用方針もご覧ください。


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