秋の花粉は、夏の終わりから11月ごろまで飛び続けます。東京都は5月下旬から11月下旬にかけてイネ科・ブタクサ属・ヨモギ属・カナムグラの花粉を測定しており、9月から10月はブタクサ属をはじめとする草の花粉が増える時期にあたります。
ただし秋の花粉は、スギのように山から都市部へ大量に流れてくるものではありません。東京都の花粉情報は、秋に飛ぶ草花粉は飛散距離が短く、その植物が生えている周辺でのみ飛散すると説明しています。つまり「いつまで」と同じくらい「どこで」が効いてくる季節です。以下は環境省の花粉症環境保健マニュアルと、東京都アレルギー情報navi.が公開している観測値をもとに整理しています。
秋の主役は樹木ではなく、足元に生えている草
環境省の花粉症環境保健マニュアルは、花粉症の原因となる植物を樹木と草本に分けて示しています。樹木ではスギ、ヒノキ、シラカンバ、ハンノキ、オオバヤシャブシ、ケヤキ、コナラ、クヌギなど。草本ではイネ科のカモガヤやオオアワガエリのほか、キク科のブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ、そしてアサ科のカナムグラが挙げられています。
このうち飛散時期について、同マニュアルは「ブタクサやヨモギなどのキク科とカナムグラは夏の終わりから秋にかけて飛散しています」と記しています。春のスギ・ヒノキとは原因植物そのものが入れ替わる、というのが秋の花粉症の出発点です。
樹高30〜40メートルに達するスギと違い、これらの草は道端、空き地、河川敷、公園の植え込みといった、人の生活圏のすぐ隣に生えています。原因が近いぶん、対策の考え方も変わってきます。
東京都の観測値では9月にブタクサ属が立ち上がっている
東京都アレルギー情報navi.は、都内9地点で夏から秋の花粉数を週単位で公開しています。同サイトに掲載されている2026年の直近の週次データ(単位:個/平方センチメートル)を並べると、9月の状況がはっきり見えます。
| 観測地点 | 観測期間 | イネ科 | ブタクサ属 | ヨモギ属 | カナムグラ |
|---|---|---|---|---|---|
| 千代田 | 8/31〜9/6 | 0.6 | 4.6 | 0.0 | 0.0 |
| 杉並 | 8/31〜9/6 | 1.2 | 4.3 | 0.3 | 0.0 |
| 八王子 | 9/7〜9/13 | 0.9 | 13.6 | 0.0 | 0.0 |
| 多摩 | 9/7〜9/13 | 2.5 | 9.9 | 0.0 | 0.0 |
| 町田 | 9/7〜9/13 | 0.9 | 3.7 | 0.0 | 2.2 |
| 小平 | 9/7〜9/13 | 0.0 | 5.9 | 0.0 | 0.0 |
| 立川 | 9/7〜9/13 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| 府中 | 9/7〜9/13 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
同じ都内でも数字が大きく割れているのが分かります。八王子の13.6に対し、立川と府中は同じ週で0.0です。多摩の測定値は8月31日〜9月6日の週に1.5だったものが、翌週には9.9へ跳ね上がっています。
この「地点ごとのばらつき」と「短期間での急な立ち上がり」が、秋の草花粉の特徴です。広域の花粉予報を見ても自分の症状と合わない、という経験があるなら、原因は予報の精度ではなく、花粉が数メートル単位で局所的に飛ぶ性質にあります。
春の花粉と秋の花粉は、5つの点で性質が違う
対策を春と同じ発想で組み立てると空振りします。環境省のマニュアルと東京都の解説から読み取れる違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 春の花粉(スギ・ヒノキ) | 秋の花粉(ブタクサ・ヨモギ・カナムグラ) |
|---|---|---|
| 原因植物の分類 | 樹木(ヒノキ科など) | 草本(キク科・アサ科) |
| 植えられている場所 | 山林の人工林。スギの面積は全国約450万ヘクタール | 道端・空き地・河川敷など生活圏 |
| 飛散距離 | 山から都市部へ数十キロ単位で流れる | 飛散距離が短く、生えている周辺のみ |
| 飛散のピーク | 飛散開始の7〜10日後から約4週間 | 夏の終わりから秋にかけて。東京都の測定は11月下旬まで |
| 対策の主軸 | 広域予報の確認と屋内への持ち込み防止 | 通勤・散歩ルートなど生活動線の見直し |
春は「今日は多いか」を予報で判断する意味がありますが、秋は「自分がどこを歩いているか」のほうが効きます。同じ駅から同じ家に帰るのでも、河川敷沿いを通るルートと住宅街を抜けるルートでは条件が変わります。
「スギは春だけ」「イネ科は一年中同じ」は正確ではない
秋の花粉について広く信じられている説明のうち、公的資料と食い違うものが2つあります。
1つ目は、スギ花粉の季節についてです。環境省のマニュアルは「スギやヒノキは春が中心で、秋にも少量の花粉が飛散することがあります」と記載しています。実際、東京都の夏秋の観測データにも、5月から8月にかけてスギの数値が0.3〜0.9といった小さな値で現れる週があります。量は春とは比べものになりませんが、ゼロではありません。
2つ目は、イネ科花粉の扱いです。同マニュアルの空中花粉分布図には「春のイネ科には抗原性がありますが、秋のイネ科にはありません」という注記が添えられています。イネ科の花粉数が秋の観測表に載っていても、春のイネ科と同じ意味で読むことはできない、ということです。秋に症状が出ている人が原因を特定したい場合、この違いは無視できません。
3つ目として付け加えるなら、「秋の不調=すべて花粉」も言いすぎです。秋は気温差が大きく、ダニの死骸やフンが増える時期とも重なります。原因を自己判断で1つに決めてしまうと、対策の方向がずれます。
症状が花粉によるものか迷ったときの見分け方
医療機関での検査が前提ですが、受診の必要性を判断する材料として、ケース別に整理しておきます。
- 数週間くしゃみと水っぽい鼻水が続き、熱がない … 季節性のアレルギー性鼻炎が疑われる状態です。毎年同じ時期にくり返しているなら、その傾向はより強まります。
- のどの痛みや発熱を伴い、1週間程度で軽快する … 感染症の可能性が高い経過です。花粉症とは経過の形が違います。
- 屋外に出たときだけ悪化し、帰宅後しばらくで落ち着く … 屋外の花粉が関与している可能性があります。どのルートで悪化するかを数日メモすると、原因の場所が絞れます。
- 室内、特に寝室で悪化する … 花粉よりハウスダストやダニが関わっている可能性があります。寝具の管理を先に見直す価値があります。
- 目のかゆみが強く、鼻症状より目が先に出る … アレルギー性結膜炎を併発している場合があります。
環境省のマニュアルは、症状が出る季節から原因花粉をある程度推定できるとしたうえで、耳鼻咽喉科などの専門の医療機関で原因花粉を特定する検査を受けることが可能だと説明しています。毎年秋に同じ症状をくり返しているなら、原因を確定させたほうが、翌年以降の対策の精度が上がります。
飛距離が短いからこそ効く、生活動線側の対策
秋の花粉は近くから飛んでくるため、「花粉に近づかない」という素朴な対策が春より有効に働きます。東京都が案内している基本的な対策と合わせて整理します。
まず、原因になる草がどこに生えているかを把握します。ブタクサやヨモギは、道端、空き地、駐車場の隅、河川敷に多く見られます。通勤路や犬の散歩コースにこうした場所が含まれているなら、症状が強い時期だけでも迂回ルートを持っておくと違いが出ます。
次に、屋内への持ち込みを断ちます。東京都は、マスクや花粉対策用のメガネを着用すること、花粉がつきにくい表面がツルツルとした上着を選ぶこと、帰宅時には玄関で花粉を払ってから家に上がることを挙げています。ウール素材の上着は繊維に花粉が絡みやすいため、この時期の上着は素材で選ぶ意味があります。
そして、庭やベランダの草を放置しないことです。自宅の敷地にブタクサやヨモギが育っていれば、そこが発生源になります。花が咲いて花粉が飛び始める前に刈り取るほうが、飛散後に対処するより負担が小さくなります。
最後に、洗濯物と布団の外干しです。飛散が多い週は屋内干しに切り替える判断が現実的ですが、東京都アレルギー情報navi.の週次データのように地点別の実測値が公開されている地域なら、自分の生活圏に近い観測地点の数字を見て決められます。全国一律の予報より、近い地点の実測のほうが判断材料として使えます。
受診と市販薬のどちらを先にするかの目安
Q1. 今年初めて、この時期に強い症状が出ましたか?
- はい → 原因の特定が先です。医療機関の受診を検討してください
- いいえ、毎年くり返している → Q2へ
Q2. 過去に検査で原因花粉を確認したことがありますか?
- はい → かかりつけの医療機関に、例年の時期に合わせて相談する流れが取れます
- いいえ → 症状が続くうちに検査を受けておくと、翌年以降の対策を組み立てやすくなります
Q3. 発熱・強いのどの痛み・黄色い鼻水を伴いますか?
- はい → 感染症の可能性があります。自己判断せず医療機関へ
- いいえ → 前項までの流れで判断します
市販薬を使う場合は、持病や併用薬との関係があるため、薬剤師に相談したうえで選んでください。本記事は特定の薬剤や治療法の効果を保証するものではありません。
おわりに
- 秋の花粉はブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの草本が中心で、環境省のマニュアルでは夏の終わりから秋にかけて飛散するとされています。東京都の測定は11月下旬まで続きます。
- 秋の草花粉は飛散距離が短く、同じ都内でも地点によって観測値が大きく異なります。広域予報より、近い観測地点の実測値と自分の生活動線が判断材料になります。
- スギは秋にも少量飛ぶことがあり、秋のイネ科には抗原性がないとされるなど、春の常識がそのまま通用しない点があります。原因の特定は医療機関の検査によります。
本記事は環境省・東京都の公開資料を参考にした一般的な説明です。症状の原因や治療については個人差があり、本記事は診断・治療を目的とするものではありません。症状が続く場合や強い場合は、耳鼻咽喉科などの医療機関にご相談ください。
本記事は運営者情報に基づき、公的情報をもとに編集しました。
参考文献
- 環境省「花粉症環境保健マニュアル Ⅱ 主な花粉と飛散時期」 — https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/2_chpt2.pdf
- 環境省「花粉症環境保健マニュアル」 — https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual.html
- 東京都アレルギー情報navi.「飛散花粉数データ:夏から秋の花粉」 — https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/allergy/pollen/data/herbaceous.html
- 東京都アレルギー情報navi.「花粉の種類と説明」 — https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/allergy/pollen/type.html
- 八王子市「八王子市の花粉情報」 — https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/hoken/007/018/kafunnjyouhou/p002802.html
Q&A:よくある疑問
Q. 秋の花粉症は何月に終わりますか?
A. 東京都は5月下旬から11月下旬まで夏秋の花粉を測定しています。地域差はありますが、11月中は飛散が続く前提で備えるのが現実的です。
Q. 秋にスギ花粉が飛ぶことはありますか?
A. 環境省のマニュアルは、スギやヒノキは春が中心としつつ、秋にも少量の花粉が飛散することがあると記載しています。
Q. 秋の花粉症と風邪はどう見分けますか?
A. さらさらした鼻水やくり返すくしゃみが数週間続き、発熱を伴わない場合は花粉症が疑われます。判断は医療機関の検査によります。
Q. 秋の花粉は遠くから飛んできますか?
A. 東京都は、秋の草花粉は飛散距離が短く、その植物が生えている周辺でのみ飛ぶと説明しています。生活動線の見直しが効きます。
本記事はAI(大規模言語モデル)を活用して執筆しています。原稿は公的機関の発表・公式仕様・査読論文などの一次情報をもとに作成し、編集部が事実関係・薬機法・景品表示法への抵触の有無を確認したうえで公開しています。運営者情報・AI活用方針もご覧ください。

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